最強組織「公安」にメスを入れるチョン書記長

最高指導者グエン・フー・チョン書記長がベトナムの最強官庁である公安省の機構再編にメスを入れている。目的は人員の合理化だけではもちろんない。
公安省は6総局、2司令部の下に約130部局がある大組織だ。改革は2021年より前に開始して部局数を60に減らす。省元幹部によれば、「一部上級職は早期退職させるほか、中央から地方区郡への異動も伴う」大ナタが振るわれる。
人口9000万人余りに対して280万人いるとされる公務員の多くを占める公安の人員削減は、予算縮小につながる。職員が減れば待遇改善も可能になり汚職も減らせる。
ただ別の狙いもあるとみられる。公安省は同省次官の経歴があるグエン・タン・ズン前首相の下で権限を肥大化させた。チョン書記長は再編を通じて政敵ズン氏の影響力を排除し、公安省に対する党の支配を強めようとしている。
また今年に入って秘密警察出身のダナンの実業家「ブー・ニョム」ことファン・バン・アイン・ブー氏が逮捕された。ブー氏の妻は、党序列でチョン書記長に次ぐチャン・ダイ・クアン国家主席の妻の姪との情報もある。
さらに違法オンライン賭博への関与で4月6日には昨年4月まで警察総局局長を務めたファン・バン・ビン氏が逮捕された。違法賭博に絡んでは84人がこれまでに訴追されており、最高幹部のビン氏まで後ろに手が回る事態となった。
公安の組織再編は、チョン書記長に近いトー・ラム公安大臣が協力しているとされる。反汚職や政争と混然一体となった「合理化」が進められようとしている。