ビン前中銀総裁、狭まる包囲網

グエン・タン・ズン前首相の右腕として政府の金融、マクロ経済政策で大きな実権を振るったグエン・バン・ビン氏(現・共産党政治局員兼党中央経済委員長)がまた一歩追い詰められた。行政や国営企業などの査察機関である政府査察部が8月31日付で中銀に対する査察結果を発表し、過去の金融機関に対する監査体制に不備があったと結論づけた。
金融機関の資産に関連する情報の公開や、「2010~2015年における」中銀の銀行査察部門の監査体制について、「金融システムに多くの潜在的なリスクがあったにもかかわらず、適切な監査による解決を行わなかった」とし、「(破綻危機により国有化の)条件を満たしていた銀行に対して、中銀の管理下に置くのが遅れた」と断定した。
ビン氏は2011~2016年に総裁を務め、問題となる期間に重なる。そして任期中に経営危機にあった3行を国有化した。3行の経営陣は国有化後にいずれも逮捕されている。
ズン前首相の下で不良債権処理や銀行再編を進めたビン氏は、ズン氏の失脚に伴い、閑職である党中央経済委員長に押し込まれていた。ディン・ラ・タン前ホーチミン市党書記の5月の解任後は早い段階から政治局での次の標的と指摘されていた。特に8月初頭に民間銀行大手サコムバンクのチャム・ベー元副会長が、後に国有化されたベトナム建設銀行の関連会社への不正融資に絡んで逮捕されてからは、ビン氏の行く末を危ぶむ噂が広がっていた。
政府査察部は、中銀に対して「違反に関わった部署や個人の責任を明らかにする」よう求めた。10月頃に開かれる次の党中央委員会総会では、ビン氏の処遇が焦点になるだろう。