北部洪水は「森林伐採による人災」

中国国境に近い山岳地帯で6月下旬に発生した洪水被害が広がっている。6月28日午前7時時点で死者・行方不明者は33人となった。一部地域で23-26日にかけて500ミリを超える激しい雨が降ったことが原因だが「森林伐採がもたらした人災」という批判も出ている。
ライチャウ省では死者16人、行方不明者9人を数える。またハザン省でも5人が死亡した。全壊・流出は161戸、半壊は958戸、農地1500ヘクタールが浸水被害を受け、被害額は既に5000億ドン(25億円)に上る。
地元メディアによれば2000-2015年に発生した18回の洪水で年平均47人が死亡した。特に2017年8月に北西部で起きた洪水では死者・行方不明者41人が発生した。さらに2か月後の土砂崩れで18人が死亡している。昨年の雨期以降の北西部における洪水・土砂崩れの犠牲者は死者100人、5兆ドン(250億円)に達した。
洪水被害の深刻化の原因として考えられるのが森林伐採だ。政府統計によれば全国の森林は1420万ヘクタールで国土の41.45%に相当する。しかし1990年から2005年にかけて成長過程にある森林は700万ヘクタールから1020万ヘクタールに拡大している。つまりその間の15年間に300万ヘクタールが伐採された計算だ。
伐採の理由は、違法な材木の切り出し、鉱山採掘、そして水力発電所の開発だ。2015年は2000件近い違法伐採が摘発された。ソンラー省の村では131世帯が密かに禁止区域の樹木を切り倒し、ひと月で200ヘクタール分を伐採した。
ハザン省には47カ所の水力発電所がありうち24カ所が稼働している。今回の大雨期間中、ハザン省では1秒当たり1000~1400㎥の放水がされた。ベトナム科学技術協会コミュニティー開発研究センターのダン・ゴック・ディン准教授は「水力発電所整備のために森林を伐採して裸地にしてしまった。雨が降ると雨水が下流にそのまま流れて洪水を引き起こしている」と指摘している。