強まる汚職追及、追い詰められるズン前首相派

最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長による汚職追及の流れが加速している。ペトロベトナム建設で乱脈経営による巨額損失の責任を問われて指名手配されていたチン・スアン・タイン元会長が7月31日に拘束されたことが明らかになった。同日にはホー・ティ・キム・トア商工副大臣がかつて経営していた照明器具製造会社の株式保有に絡み、党中央検査委員会はトア氏の処分が妥当との判断を下した。そして翌日には民間銀行大手サコムバンクのチャム・ベー元副会長ら16人が逮捕された。
チョン書記長は31日に反汚職委員会を開催し、腐敗徹底を指示している。一連の処分はこの流れにある。5月には過去にペトロベトナム会長を務めたディン・ラ・タン氏が子会社であるペトロベトナム建設の巨額損失などに関連して党最高指導部政治局を追われた。グエン・タン・ズン前首相の下で運輸大臣を務めたタン氏はまだ党中央委員にはとどまっているが、海外逃亡を続けていたタイン氏が拘束されたことで法的にも追い詰められる可能性が高まった。
さらにサコムバンクのベー元副会長らの容疑は、2015年に経営危機で国有化されたベトナム建設銀行の関連会社への不正融資による。ベー元副会長らの逮捕について識者は、「銀行システムを整理して利益集団を処分しようとするチョン書記長の決意の表れ」(2日付BBC)と指摘している。中央銀行の当時の総裁でズン前首相の右腕だったグエン・バン・ビン氏(現政治局員・党中央経済委員長)に次の矛先が向かうとの観測が強まっている。
さらにチョン書記長は31日の反汚職委員会で、携帯電話大手モビフォンによる有料テレビのAVG買収過程の調査などを改めて命じた。モビフォンは、ズン前首相の娘であるグエン・タイン・フオン氏が率いるベトキャピタル証券と関係が深い。
すなわちペトロベトナム建設、建設銀行、モビフォンなどのスキャンダル追及は、「全ての道がグエン・タン・ズンに通ず」(2日付VOA)。秋の中央委員会総会に向けて、ズン前首相の外堀を埋める動きが加速しそうだ。