統一入試での回答書き換え不正

中国雲南省と接した貧困地域ハザン省発のスキャンダルが全国を揺るがしている。6月に行われた高校卒業兼大学入学の統一試験において、同省職員が受験者114人の回答を書き換えて点数を水増ししていたことが発覚したのだ。
ことの発端は7月11日、教育訓練省が全国63省市で90万人が受験した統一試験の全結果を発表したことから始まった。ハザン省の受験者5400人の一部の得点が異常に良かったのだ。
全国総合トップ11人のうち3人がハザン省で、例年は相対的に点数が高いハノイやホーチミン市を上回った。物理では、10点満点中9点以上を取った受験者はホーチミン市では30人にとどまるが、ハザン省は65人もいた。この明らかに不審な結果に疑問が渦巻いた結果、教育訓練省は14日に調査を始め、15日に回答を再採点した。すると幅広い科目で330枚以上の解答用紙が書き換えられていたことが判明したのだ。
不正を行ったのがハザン省で解答用紙のスキャンを担当していた教育局試験・品質保証課のブー・チョン・ルオン副課長だ。6月27日に教育訓練省が統一試験の正解を発表すると、ルオン氏は立場を利用してサーバー上にある114人の解答用紙を書き換えた。公安省によれば「書き換え対象の受験者のIDがルオン氏の携帯電話にテキストメッセージで送られていた」。また公安は、ルオン氏が物理の解答用紙を指定の保管場所から別の部屋に移し、3時間の間に解答を書き換えたことも突き止めている。
ただ公安は、短時間に大量の解答を一人で書き換えることは困難とみて、テキストメッセージの送り主など背後関係を調べている。学歴社会のベトナムでは統一試験は人生を左右するだけに市民の関心は高い。グエン・スアン・フック首相は17日、全容解明を公安省と教育訓練省に指示した。さらにソンラー省やランソン省など北部の農村地帯で異常に高い点数の解答用紙について調査を行うことも決まった。
興味深いのは地元メディアはいずれも「これまでも不正はあった」と認めつつ、ハザン省での不正が前例を見ない規模であることに着目している点だ。「教育の原則や長所を全てひっくり返してしまっている」と批判するメディアも出てきた。
グエン・フー・チョン書記長が2016年初頭の党大会で再選されて以降、党は中央地方での縁故人事の摘発に力を入れてきた。今回の試験結果書き換えが、権力者の子弟をよい大学に行かせるために組織的に行われたとすれば、党は一段と強い取り締まりを迫られるだろう。教育問題にはベトナム世論の関心はことのほか高いからだ。
統一試験は6月25日から27日にかけて行われた。科目は数学、国語、外国語に加えて、自然科学(物理・化学・生物)もしくは社会科学(歴史・地理・公民)のどちらかを選ぶ。問題は国語を除いて選択式となっている。